「東日本大震災被災地支援」に参加して
「こうちさんぽメールマガジン」2011.8月号より
メンタルヘルス相談員 影山 淳子
4月10日から岩手県山田町に健康支援に入った。地震・津波・火災で町は破壊尽くされ、鉄筋が剥き出した電柱が横たわっていた。避難所ではテレビを見る人もおらず、寒い隙間風の中ストーブも付けず、毛布に包まってじっと耐えておられた。持病が悪化する人も多く、認知症の母親を連れた娘さんは、つい強い口調になってしまってと自分を責め、職場が残った女性は夕食の準備を手伝えない心苦しさに涙されていた。被災を免れた家には十数人もの方が避難されており、支援物資を貰う事をためらう方々に地区長さんが物資の取り継ぎ役をされていた。
私達は病人のいる家等が孤立しないよう個別訪問し、他の支援団体との情報交換・連携を行いながら必要な情報を“大沢ニュース”として配布した。また困難な中、一つでも前向きに努力されている事があると、その方の自信や自立に繋がっていくよう励ました。「全ての教育活動を通じて子供達の心のケアをしていく。」 校長先生の熱い思いがやがて咲く桜の花びらにのって、一人ひとりの子供達に届くようにと願わずにはいられなかった。
幾万の命を失い、生き残ったことを悔い、悲嘆の中「それでも生きていかなければ…」その言葉の重みを私はどれ程感じ取れたのか。「生きるとは?」「生きていく意味とは?」改めてその原点を問われた思いがしている。