労災疾病等医学研究普及サイトのご案内 「生活習慣病」テーマ(平成30年度開始)について
勤労者の過労やストレスが、高血圧などの「生活習慣病」の悪化に影響していると言われています。勤労者の過労やストレスと、高血圧等「生活習慣病」発症との因果関係を明らかにすることによって、働く人々の健康を守ることにつながります。
現在、「生活習慣病」テーマでは5つの研究を行っていますが、そのうち、「①地域社会における社会的ストレス及び社会関係資本と生活習慣病との関連に関する研究」についてご紹介します。
これまでの疫学研究では、独居や経済的苦境等の「社会的ストレス」が、生活習慣病の悪化、心不全増悪や冠動脈疾患の発症のリスク因子であることが示されています。
一方、近年の地域社会を考える上では、「社会関係資本(Social capital)」が重要です。これは、「地域の絆」や「ご近所の底力」等と呼ばれるような他の人に対して抱く「信頼」や、人々の間の絆である「ネットワーク」を指す言葉です。
過去に行われた研究では、社会関係資本が豊かな地域では死亡率や精神病の有病率、犯罪率が低く、社会関係資本が低い地域の高齢者では要介護になる割合が多いという報告があります。
この研究では、全国労災病院のネットワークを活用して、各地域の社会関係資本や個々の症例の社会的ストレス・精神的ストレスと生活習慣病との関連を明らかにし、生活習慣病の地域の実情に即した医療(Area-Based Medicine)の確立を目指します。
詳しい研究内容は、「労災疾病等医学研究普及サイト」をご覧ください。