お知らせ

シックハウスについて~安全・安心な居住環境をめざして

産業保健情報誌「よさこい」2006.1月号より

高知県衛生研究所

シックハウス症候群とは?

新築やリフォームした住宅に入居した人が、目がチカチカする喉が痛い、めまいや吐き気、頭痛がするなどの体調不良を起こすことが数多く報告されています。これらの症状の仕組みは、未解明の部分が多く様々な複合要因が考えられることから”シックハウス症候群”と呼ばれています。

シックハウスはどうしておきるのでしょうか?

  • 住宅に使用されている建材、家具、日用品などから様々な化学物質が発散する。
  • 住宅の機密性が高くなった(住宅の設計、施工法による)。
  • 生活様式が変化して換気が不足しがちである。
  • ハウスダストなど様々な要因が複雑に関係していると考えられています。

化学物質の発生源と用途は?

主な化学物質の用途

化学物質 用途
ホルムアルデヒド 接着剤の原料
トルエン 塗料の溶剤
パラジクロロベンゼン 防虫剤
クロルピリホス シロアリ駆除剤

代表的な化学物質には、ホルムアルデヒド、揮発性有機化合物(VOCといいます)などがあります。人が、一生涯に摂取する物質の約60%は室内空気由来といわれています。

シックハウスについて

シックハウス症候群と化学物質過敏症の違いは?

シックハウス症候群は、居住内での知覚症状が多いのに対し、化学物質過敏症はあらゆる環境において化学物質に過敏に反応し、排気ガスやタバコの煙など大気中の化学物質をはじめ化粧品や洗剤などに含まれる微量の化学物質にも反応してしまいます。

化学物質濃度指針値について

厚生労働省では、13物質について指針値を示しています。その濃度以下なら暴露を一生涯受けたとしても健康への有害な影響を受けないであろうと考えられています。(ただし、ホルムアルデヒドについては、短期間の暴露によって起こる毒性を指標として設定されています。)代表物質は、ホルムアルデヒド(100µg/m3)・トルエン(260µg/m3)・パラジクロロベンゼン(240µg/m3)などのほか農薬系3物質・フタル酸エステル系2物質などです。(平成16年12月現在)

改築新築時の対策は?

  • 高断熱・高気密住宅の場合、計画的な換気や恒常的換気装置を考慮しましょう。
  • 適切な場所(トイレ、洗面、台所等)に換気扇を取り付けましょう。
  • 床下換気は、十分に確保しましょう。
  • 住居の完成から入居までの間に十分に換気を行いましょう。
  • 改築時は、居住しているところと工事しているところをしっかり分けましょう。
  • 改築した部屋は、十分な乾燥期間を取ってから使用しましょう。

低減させるためにできることは?

  • こまめに換気しましょう。
  • 窓を閉めるときは、台所、トイレ、浴室の換気扇を時々回しましょう。
  • 通風に配慮しましょう。

保健所に相談のあった事例

相談

家族が頻繁に風邪を引く、カビが原因でないかと相談がありました。

結果

カビの存在は確認しましたが、この調査中に強い防虫剤のにおいがしました。防虫剤を撤去してもらった後に揮発性有機化合物を測定すると、防虫剤の成分のパラジクロロベンゼンが指針値の2倍以上検出されました。防虫剤撤去前は、きわめて高濃度であったことが推測されます。

ご利用ください

福祉保健所では、県民の皆様からの「住まいの環境相談」を受け付けています。相談時に住宅状況・住まい方をお聞きし、必要に応じて保健師とともに現場調査を実施し、ホルムアルデヒド簡易測定(検知管法)・ダニアレルゲン検査などを行っています。

ご相談されたい方は、お近くの福祉保健所環境課までご連絡ください。

保健所名 所在地 連絡先
東部福祉保健所 安芸市矢ノ丸1-4-36安芸総合庁舎内 0887-34-3175
中央東福祉保健所 香美郡土佐山田町山田1128-1 0887-52-0004
中央西福祉保健所 高岡郡佐川町甲1243-4 0889-22-1286
高幡福祉保健所 須崎市東古市町6-26須崎第二総合庁舎内 0889-42-1875
幡多福祉保健所 中村市山手通19幡多総合庁舎 0880-34-0085

※なお、高知市内にお住まいの方のご相談は、高知市保健所生活食品課にお問い合わせください。

(TEL:088-822-0588)

以上

ご相談・ご要望を受け付けています。

ご利用時間:午前8時30分~午後5時15分(土・日曜日・祝祭日、年末年始除く)

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