睡眠時無呼吸症候群
「こうちさんぽメールマガジン」2007.4月号より
産業医学担当相談員 森岡 茂治
先日、産業保健セミナーで「睡眠時無呼吸症候群(SAS:sleep apnea syndorome)」についての話をすることになっていましたが、受講者が少なくて中止になりました。ここ数年来、高速道路における大型トラックの居眠り運転による事故多発、新幹線運転手の居眠りによる駅ホームのオーバーラン等、問題になっています。世界的にもスリーマイル島の原子力発電所事故、スペースシャトルの爆発事故、アラスカの大型タンカーの座礁による原油汚染事故にこのSASが関与していたと言われています。
この度、このSASに取り組んでおられる鏡川病院の精神科医川田誠一先生がこのセンターの研修に関わって頂くことになりました。今後、職場のメンタルな相談に加わって頂けますし、SASについても身近にお話を聞くことが出来ると思います。
また、川田先生は一昨年からSASについてトラック協会にも関わっておられ、スクリーニングテスト、さらに、その精密検査等もしておられます。
四、五年前より船員健診にこのSASチェック項目が加わってきていますが、当時の運輸省からは具体的にどのように行うと言う指導もなく、私も呼吸器内科医としてSASについては勉強してきましたが、健診で何をしたらいいのか色々調べ、アメリカが使用されているアンケート様式ESS(睡眠問診票:Epworth Sleepiness Scale)の日本語版をスクリーニングとして使っています。その後色々の健診にSAS項目が加わってきていますので、産業医セミナーで先生のお話が聞けることを楽しみにしています。