お知らせ

安全衛生標識について

「こうちさんぽメールマガジン」2008.6月号より

労働衛生工学担当相談員 門田 義彦

同じ規模で、同じ工程があっても、事故が多発する作業場と発生しない作業場があります。これらの作業場の違いは何でしょうか?直接的には、さまざまな要因があげられますが、総体的に事故が発生しない作業場は「安全文化」が高いと言われます。安全文化が高いとは、作業者の安全意識の高さ、すなわち安全に対する感度が高いこと、さらにその意識を組織的に活用していることが条件です。

安全文化を高めるためには、作業者個人の安全に対する意識を高めなくてはなりません。これらの意識の高さは、長い目で見れば作業場の清潔、整理整頓などにあらわれてきます。しかし、短時間で作業者個人の安全意識を見ることは、なかなかできません。

ある安全の専門家は、作業場を訪問した際に、その作業場の安全意識レベルをわずか10秒で、かなりの確率で見分ける方法があると言います。それは、安全や衛生に関する標識が、作業場の適切な場所に掲示されているか、また掲示されている標識が汚れていないかに注目することだそうです。

さらに、ある事故の多発する作業場で、「安全第一」の標識を、作業者ひとりひとりが交代で毎朝、たとえ汚れていなくても手作業で磨くことを指導したそうです。すると、その作業場では、短期間に事故が減少したと報告しています。

たしかに、安全衛生に関する意識は、標識に頼らず作業者個人が主体的に高めていくべきものです。しかし、こういった意識は日常の生産活動、たとえば納期やコスト削減などに頭を悩ませるうちに、つい忘れられてしまいがちです。そこで、常に安全や衛生に対する意識を高めるために、安全衛生標識を確認することは有効な方法です。

安全や衛生に関する標識の掲示は、大変よく見かけます。しかし掲示が、なおざりになっていたり、職場の風景に埋没したりしていませんか?みなさんも、安全文化を高めるために、職場の安全衛生標識をあらためて見直してみてください。

ご相談・ご要望を受け付けています。

ご利用時間:午前8時30分~午後5時15分(土・日曜日・祝祭日、年末年始除く)

PAGE TOP