うつ病に対するQ&A(1)
「こうちさんぽメールマガジン」2009.11月号より
メンタルヘルス担当相談員 下寺 信次
Q.うつ病はどんな病気なの?
もっとも多い病気の一つで、10人に1人が一生涯のうちに発症すると言われています。特に女性に多いという報告もあります。
うつ病の始まりには朝早くに目覚めたり、食欲が低下したりと健康な方でもよく起こるような症状が見られます。やがて、典型的な症状として
- 気分が憂うつになる
- 物事への関心が薄れる
- 疲れやすくなる
- 家事や仕事の能率が落ちる
などが現れます。二週間程度このような状態が続けばうつ病と診断されます。
Q.うつ病は増えているの?
心療内科や精神科が昔と比べて通院しやすくなっていることもあり、うつ病と診断される患者さんは増えています。外来患者さんが増えたからといって、単純にうつ病が増えているとは断定できませんが、自殺者が増えていることからもうつ病は増えていると考えてよいと思います。
Q.どのような治療をするの?
多くの場合、お薬で回復します。「心の病気に薬は効かないのでは?」という質問をよくされますが、うつ病は心のあり方というよりは、むしろ「脳」の病気です。セロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質と関係した脳細胞の機能の障害でうつ病になると考えられていますので、脳の機能を改善させる「抗うつ薬」がきわめて有効なのです。また、お薬を使いながら医師のカウンセリングを受けるのも一般的な治療法です。