5Sの勧め
「こうちさんぽメールマガジン」2010.3月号より
労働衛生工学担当相談員 中西 淳一
5Sとは、整理(Seiri)・整頓(Seiton)・清掃(Seisou)・清潔(Seiketu)・躾(situke)の頭文字Sを取ったもので、職場管理上、徹底されるべき行動・状態をレベル要素を加味して表現したスローガンです。
5S活動は、単に、企業の職場環境改善だけでなく、企業体質そのものを改革・革新する活動ですが、無災害職場の形成を通じて、安全性が確保されるという一面も有しています。そのため、5S活動を推進する企業は製造業にとどまらす、サービス業等多くの企業に広まっています。
そこで、今回は、5Sの定義と活動のねらい、活動のポイントをご紹介します。
整理
(1)定義
必要な物と、不要な物を区別し、不要な物を捨てる。
(2)活動のねらい
層別管理と発生源対策
(3)活動のポイント
- 不要品の一掃
- 汚れの発生源対策
- 必要、不要を判断するルール化
整頓
(1)定義
必要な物が、必要な時に、必要な量だけ取り出せるように、置き場や置き方を決め、表示を行う。
(2)活動のねらい
機能的保管と探すムダの排除
(3)活動のポイント
- 5W1Hに基づいた機能的保管
- 収納と取り出しの容易さ
- すっきりとした職場と設備
- 探す行為を排除する改善
清掃
(1)定義
掃除をしてゴミや汚れのないきれいな状態にする。細部まで点検し、不具合や微欠陥を摘出し、排除する。
(2)活動のねらい
清掃点検と基本条件の整備
(3)活動のポイント
- 清掃点検の効率化改善
- 設備機能部位の基本条件整備
- 治工具の清掃点検
清潔
(1)定義
整理、整頓、清掃を徹底して繰り返し実行し、安全面、衛生面も含めてきれいな状態を維持する。さらに、事後3Sから予防3Sへ進化させる。
(2)活動のねらい
目で見る管理と3Sの仕事化
(3)活動のポイント
- 目で見る管理の工夫と徹底
- 異常の早期発見と早期アクション
- 維持管理のツールとしてのマニュアル化やカレンダー化
躾
(1)定義
決められた事を、決められた通りに実行できるように習慣づける。さらに、後工程で発生している問題を、自ら発掘し、解決する。
(2)活動のねらい
習慣づけと信頼性向上
(3)活動のポイント
- 伝承と訓練
- 一人一人の責任による自主行動
- 下流で発生している問題の自主解決
5Sは当たり前の事を当たり前に実行する事です。また、5Sには職場のモラルや管理レベルが反映されますので、習慣化し、定着させる事が大切です。最後に、5Sを成功させるためには、全員参加と率先垂範が重要です。まだ5S活動を導入されていない職場の方は、是非、5S活動に取り組んでみてください。
以上
参考文献:実践5Sの進め方(日本プラントメンテナンス協会)