メールマガジンバックナンバー

こうちさんぽメールマガジン第5号

2007.6.1

今月のキーワード

熱中症の発生が心配な時期になりました!

熱中症の死亡災害の発生は、7月、8月に集中しています。しかし、5月・6月にも発生例があり、注意が必要な時期になってきました。
熱中症の死亡災害は、近年(2000-2005年)20件前後発生しています。昨年は、本県でも1件みられました。「業務上疾病調」では、異常温度条件による休業4日以上の発生が400-450件(2003-2005年)となっていますが、その大部分が高温環境によるものと思われ、これに含まれない多くの軽症患者を考えると、産業現場で重要な健康問題のひとつといえます。
職場における熱中症による死亡災害について、2003年-2005年の被災状況をみると(厚生労働省による計57件のまとめ)、発生は7月、8月が72%(41件)を占めますが、6月にも6件(5月は1件)みられます。時間帯では、14時-16時台が54%(31件)と最も多く、次いで昼前の時間帯が多くなっています。
業種別には2/3(37件)が建設業で、次いで製造業ですが、作業日数別では作業開始後2日目までで54%、3日目を加えると68%と作業開始後の早い時期に集中しています。とくに建設業で、工事開始後、高温環境になれていない時期に発生しやすいことがうかがえます。
熱中症は、高温職場やスポーツだけでなく、レジャーをはじめ日常生活のいろいろな場面で起きる可能性があり、場合によっては死亡にいたる病気です。発生が多くなるこの時期に、あらためて予防対策を見直しませんか。
熱中症の起こり方や症状、予防対策などは、下記に紹介した当センターのホームページの記事や関連の資料を参照していただくこととして省略しますが、上記の厚生労働省のまとめには以下4点が付記されています。職場における予防対策上、非常に重要な指摘と思われます。

  1. 熱中症と疑われる症状が現れているにもかかわらず、本人及び周囲の作業者に熱中症の認識がないことから、対応が不十分であった例が少なからず認められる。熱中症は、早期の措置が大切であることから、あらかじめ作業者全員に対し、救急措置を含む労働衛生教育を確実に実施することが重要である。
  2. 適切な休憩設備が確保されていなかった例が認められる。あらかじめ、日除けや通風をよくするための設備を設置し、涼しい場所に休憩場所を確保しておくことが重要である。
  3. 水分補給用に水、清涼飲料水等が準備されていても、塩分が備え付けられていない例が認められる。塩あるいは塩分を含んだ飲料等により、水分補給とともに塩分の補給を必ず行わせることが重要である。
  4. 作業者の健康状態を十分に把握しないまま、作業を行わせた例が少なからず認められる。作業開始初日あるいは2日目に多発している状況から、時機を逸することなく、作業者の健康状態を把握することが重要である。

(参考資料)

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