メールマガジンバックナンバー

こうちさんぽメールマガジン第16号

2008.5.1

トピックス

第11次労働災害防止計画の推進について

厚生労働省

厚生労働省は、平成20年3月19日、平成20年度を初年度とし平成24年度を目標年度とする今後5年間にわたる「第11次労働災害防止計画(以下、「11次防」)を公示した。また同日付け(基発第0319001号)により都道府県労働局長あて通達を発し、11次防の効果的な推進について指示した。
労働災害防止計画は、労働者の安全と健康確保のために、国が長期展望に立って、今後自らとるべき施策、労働災害防止の実施主体である事業者等に取組みが求められる事項について、労働安全衛生法第6条に基づき策定されるもので、同法第8条で公表が定められている。11次防では、安全衛生対策に係る基本的な考え方として、

  1. 労働災害全体を減少させるためのリスク低減対策の推進
  2. 重篤な労働災害を防止するための対策の充実
  3. 目標の設定、計画的な実施等による対策の的確な推進

を掲げ、計画の目標として平成24年において、対19年比1.死亡者数20%以上、2.死傷者数15%以上減少させることのほか、3.定期健康診断における有所見率の増加傾向に歯止めをかけ、減少に転じさせることとしている。
また、重点対策としては、

  1. 危険性又は有害性等の調査等(リスクアセスメント)の実施率の向上
  2. 化学物質におけるリスクアセスメントの実施率の向上
  3. 機械災害の減少
  4. 墜落・転落災害の減少
  5. じん肺新規有所見者数の減少
  6. 特定化学物質、有機溶剤等による職業性疾病の減少
  7. 健康診断結果に基づく事後措置の徹底と医療保険者が行う措置との連携
  8. メンタルヘルスケア取組み事業場の割合を50%以上とすること

が挙げられている。

高知労働局版の11次防の策定、推進計画のお問い合わせは、高知労働局労働基準部安全衛生課(TEL:088-885-6023)まで
厚生労働省詳細を表示 安全衛生情報センター詳細を表示

平成20年度高知労働局労働行政のあらまし

― 意欲と能力が活かされ安心して 働ける社会の実現をめざして ―

高知労働局においては働く人々が健康で安全・安心して働き、家族とともに豊かでゆとりある生活を送れるよう、「すべての人々が能力を発揮し、安心して働ける社会の実現」、「公正かつ多様な働き方の実現と働く人たちの安全・安心の確保」、「ワーク・ライフ・バランスの実現」、「公正かつ多様な働き方の実現」、「セーフティネット機能の維持と迅速・的確な対応」について、それぞれ重点事項を定め、効果的かつ積極的な行政を推進することとしている。
お問い合わせは、高知労働局(企画室TEL:088-885-6028)まで

高知県における労働災害の発生状況について(平成19年)

高知労働局

高知労働局によると平成19年の高知県における労働災害(休業4日以上)の発生状況は以下のとおりとなっている。
1 概況
死傷災害は、1,152人で前年に比べて7人、0.6%減少している。
死亡災害は、14人で、前年に比べて5人増加している。
2 死傷災害の発生状況

  1. 製造業では、死傷者数は264人となっており、前年と同数となっている。
  2. 建設業では、死傷者数は218人となっており、前年に比べて1人減少している。
  3. 運輸業では、死傷者数は85人となっており、前年に比べて26人減少している。
  4. 林業では、死傷者数は135人となっており、前年に比べて17人増加している。
  5. 第三次産業では、死傷者数は405人となっており、前年に比べて7人減少している。

3 死亡災害の発生状況

  1. 業種別発生状況
    • 製造業では、死亡者数は3人となっており、前年に比べて3人増加している。
    • 建設業では、死亡者数は3人となっており、前年と同数となっている。
    • 運輸業では、死亡者数は2人となっており、前年と同数となっている。
    • 林業では、死亡者数は4人となっており、前年に比べて3人増加している。
    • 第三次産業では、死亡者数は2人となっており、前年に比べて1人減少している。
  2. 事故の型別発生状況
    全産業において、事故の型別の死亡者数が最も多いのは「飛来・落下」と「はさまれ・巻き込まれ」で、それぞれ3人となっている。以下、「墜落・転落」と「交通事故」で2人、「転倒」、「崩壊・倒壊」、「激突され」、「その他」でそれぞれ1人となっている。

お問い合わせは、高知労働局労働基準部安全衛生課(TEL:088-885-6023)又は最寄りの労働基準監督署まで

石綿ばく露作業による労災認定等事業場一覧表の公表について

厚生労働省

厚生労働省は、平成20年3月28日、平成21年3月27日に請求期限が到来する石綿による健康被害の救済に関する法律(平成18年法律第4号)に基づく特別遺族給付金に係る請求の促進という観点も踏まえ、平成17年度及び平成18年度に労災認定を受けた労働者が所属していた事業場並びに平成18年度の特別遺族給付金の支給決定の対象となった労働者が所属していた事業場の名称等の情報を公表した。(当センターホームページにも掲載しています。)

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新たな交通労働災害防止対策の推進について

厚生労働省

― 交通労働災害防止のためのガイドラインの改正について ―

厚生労働省は、平成19年10月から5回にわたる「交通労働災害防止専門家検討会」(座長:根本敏則 一橋大学大学院商学研究科教授)の報告書を踏まえ、今般、交通労働災害防止のためのガイドラインを改正し、平成20年4月3日、都道府県労働局長あて通知するとともに、関係業界団体に対して会員企業への周知を要請した。
ガイドラインでは、事業者に、運転者が乗務する前に、走行の開始及び終了の地点及び日時、運転者の拘束時間、運転時間及び休憩時間や運行に際して注意を要する箇所の位置(交通安全情報マップ)などを記載した走行計画の作成、適切な指示を行うこと。また勤務前24時間の総睡眠時間が5時間以下である場合、交通事故等が発生しやすくなることに有意な関連があるとの調査結果があることなどから、乗務開始前24時間における拘束時間の合計が13時間を超える場合、事業者に労働者の睡眠時間の状況を確認することなどが示されている。

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労働者に対する肝炎ウイルス検査の受診勧奨等の周知について

厚生労働省

厚生労働省は、平成20年4月1日付け(基発第0401026号)により、労働者に対する肝炎ウイルス検査の受診勧奨等の周知について、都道府県労働局長あて通達を発し、関係団体に対する協力要請について指示した。
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「平成19年版 働く女性の実情」

厚生労働省

厚生労働省雇用均等・児童家庭局では、毎年、働く女性に関する動きを取りまとめ、「働く女性の実情」として紹介している。

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相談員の窓

タバコとCOPD(慢性閉塞性肺疾患)

基幹相談員 坪崎 英治(高知検診クリニック院長)

前号ではタバコの害毒性として

  1. 肺癌をはじめとするあらゆる癌の発病率を高める有害性
  2. ニコチンの血管毒としての心筋梗塞の発病率を高める有害性

を述べました。
今回は、現在最も注目され、かつ重要視されているCOPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気を解説したいと思います。何故かといいますと、高齢化社会となった日本ではこの病気の患者数がどんどん増えており、40歳以上の人々では全平均8.6%ですが、これが60歳代では12.5%、70歳以上では19.6%にも上っています。このように高齢者の多い日本は、国際比較でもイタリアに次いで二番目に多発している国なのです。この病気は有病期間が長くて、医療費を多額に要することも注目されています。そしてCOPD発病の最大の原因が過度の喫煙にあるのです。
COPDとは、慢性息切れを主症状とした肺の閉塞性換気障害を示す病気です。従来慢性気管支炎、気管支喘息、肺気腫と言われていたものもこれに含まれるようになりました。慢性の咳や喀痰、階段を上るような労作時での呼吸困難があって、さらに長期の喫煙歴があればまずこの病気と考えてよいでしょう。喫煙により肺組織は傷害され、肺内の弾性線維が破壊され、小さかった肺胞の袋は互いに癒合拡大します。正常時には径0.5mm程度の目の細かいスポンジのような肺胞の構造に破壊が進行すると、終いには径5~6mmの目の粗い、乾燥へちまのようなスカスカした構造になってしまいます。こうなると肺本来の役割である換気の仕事は極端に低下して、日常生活でも酸素ボンベを咥えないと歩けなくなり、肺炎等の致命的な病気へ急速に進んでしまいます。
この病気の回復のためには、まず断固とした禁煙の実行とスパイロメトリーによる肺機能検査による早期発見が重要です。また肺のCT検査も、他疾患との鑑別診断や早期の肺気腫病変の検出に非常に有力な手段です。健診を受ける時には必ず肺機能検査をうけましょう。
さて禁煙の方法にはいりますが、これはなかなか難しいところもあります。ある西洋の有名な哲学者の言葉に「世の中で禁煙ほど易しい決心は無い,なにしろ自分はこれまでの人生で60回以上試みたのだから」と逆説的に云って,自分を揶揄しています。
私の場合にも、50歳のときに禁煙に成功するまでには数回の中途挫折歴があります。しかしいまではこれも必要な,ちょうど丁度走り幅跳びの前の助走のようなものと認識しています。誰しもいきなりジャンプするのは難しいものです。ちょうど50歳を迎える前年の大晦日の夜,私の長年の友人で大学も同級生である男が突然入院したとの連絡が入りました。とるものもとりあえず病室に駆けつけますと意識はありましたが,脳梗塞で半身不随の彼がいました。50歳というとお互い男の盛りのような年齢で,結構不摂生にみちた生活をしておりましただけに、私の受けた衝撃の深さはいかほど大きなものかをいまでもありありと思い出すほどです。そして天啓のごとく彼の回復を祈ってなにか物絶ちをしようと決心し、禁煙を選びました。お酒は仕事の付き合いから止めるのは難しい点もあったせいもあります。幸い彼は僅かな後遺症を残して回復しましたが,私のほうはその後度重なる挫折しそうな危機を迎える度に,この時の情景や気持ちを心のなかで再現して思い出し,お前はなんで禁煙を決心したんだったかなと自分に問いかけるようにして頑張っています。このように禁煙には大きな動機
付けというかモチベーションがあると良く、その点では彼に感謝しております。
現在では禁煙支援外来を設けている医療機関も増えており,ニコチンパッチの処方をうけ離断時の禁断症状の緩和がより容易になりました。気持がぐらついた時のサポートも受けられ,より成功率も上がっているようです。いまだに喫煙を続けている皆様がおられるようなら是非この際に禁煙を決心してください。決心は持続が成功するまで何回も何回も繰り返してやって下さい。その後の人生が楽になり、10年長生きすることは請合えます。

ご相談・ご要望を受け付けています。

ご利用時間:午前8時30分~午後5時15分(土・日曜日・祝祭日、年末年始除く)

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