こうちさんぽメールマガジン第19号
トピックス
メタボリックシンドロームに関する調査について
労働者健康福祉機構
“小学6年時の食習慣が成人女性のメタボ発症に強い影響” ~全国の勤労者予防医療センターの調査で初めて判明~
独立行政法人労働者健康福祉機構は平成20年7月28日、同機構が運営する全国の労災病院内に設置する9つの勤労者予防センターがメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群。以下「メタボ」という。)の発症に係る背景要因を検証するため、メタボ患者400名及び同患者と年齢、性を一致させた399名の健常者に対し、1.食行動ならびに食事の嗜好、2.幼少時の食習慣、運動習慣、3.不規則勤務(夜勤・シフト勤務)の有無、等についてのアンケート調査を行った結果を発表した。
平成20年度全国労働衛生週間実施要綱決定
厚生労働省
厚生労働省は平成20年7月8日に、本年度の全国労働衛生週間の実施要綱を決定し、発表した。同週間は本年で第59回を迎え、10月1日から10月7日までを本週間、9月1日から9月30日までを準備期間としている。本年度は、「あなたが主役 明るい職場と健康づくり」をスローガンとし、事業場における労働衛生意識の高揚と自主的な労働衛生管理活動の推進を求めている。
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酸素欠乏症・硫化水素中毒災害の防止について
厚生労働省
厚生労働省は、今般、全国で発生した休業4日以上の酸素欠乏症又は硫化水素中毒(以下「酸素欠乏症等」という。)の災害発生状況について分析した結果と平成19年に発生した酸素欠乏症等の発生事例を取りまとめた。その発生原因について見ると、酸素濃度等の測定の未実施、十分な換気の未実施、空気呼吸器等の未使用が他の原因に比べて突出しており、酸素欠乏症等防止規則に定めた基本的な対策が十分でなかったことにあるとしている。
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「地域における産業保健活動の推進に関する検討会」開催される
厚生労働省
厚生労働省は、平成20年6月9日、地域における産業保健活動の推進のための具体的な方策等について検討する、第1回「地域における産業保健活動の推進に関する検討会」を開催した。
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個別労働紛争解決の促進のために
厚生労働省
企業組織の再編や人事労務管理の個別化等に伴い、労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争(以下「個別労働紛争」といいます。)が増加しています。
紛争の最終的解決手段としては裁判制度がありますが、それには多くの時間と費用がかかってしまいます。また、職場慣行を踏まえた円満な解決が求められているため、労働問題への高い専門性を有する都道府県労働局において、無料で個別労働紛争の解決援助サービスを提供し、個別労働紛争の未然防止、迅速な解決を促進することを目的として、「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」が施行され、この法律に基づいて、次の制度が用意されています。
- 総合労働相談コーナーにおける情報提供・相談
- 都道府県労働局長による助言・指導
- 紛争調整委員会によるあっせん
- 高知労働局 総合労働相談コーナー(高知市南金田1-39 労働総合庁舎4階)
高知労働局総務部企画室内 電話:088-885-6027 - 高知総合労働相談コーナー(高知市南金田1-39 労働総合庁舎1階)
高知労働基準監督署内 電話:088-885-6010 - 四万十 総合労働相談コーナー(四万十市右山五月町3-12 中村地方合同庁舎3階)
四万十労働基準監督署内 電話:0880-35-3148
- 高知労働局 総合労働相談コーナー(高知市南金田1-39 労働総合庁舎4階)
受動喫煙の健康影響及び諸外国における受動喫煙規制に関する調査研究報告
中央労働災害防止協会
中央労働災害防止協会では、平成19年度、厚生労働省の委託を受け、受動喫煙の健康影響及び諸外国における受動喫煙規制をテーマにした調査研究を実施し、報告書をまとめた。
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職場の喫煙対策事
中央労働災害防止協会
~平成19年度 職場における喫煙対策実施状況についての調査結果~
平成19年10月に5,000事業場を対象に職場における喫煙対策の実施状況について調査し、1年間で事業場の喫煙対策の実態がどのように変わったかを把握するためのアンケート調査の集計結果が見られます。
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産業カウンセラーが見た職場アンケート調査結果
(社)日本産業カウンセラー協会
~「職場のいじめ」の対策と解決事例/損失と予防策~
社団法人日本産業カウンセラー協会は平成20年5月21日、産業カウンセラー資格を有する人事労務担当者・管理職・経営者を対象に「職場のいじめ」に関する企業内での実態、実際にとられた対策や予防と効果について明らかにすることを目的に、アンケート調査を実施した結果を公表した。
調査結果によると、いじめが起こった部署に見られた特徴として、「社員同士のコミュニケーションが少なかった」(66%)と「管理職の指導力が欠如していた」(64%)が他の回答を大きく上回った。(複数回答)
また、いじめが発生することで、「職場の雰囲気が悪くなった、人間関係の悪化」(75%)、「社内のモチベーションの低下」(74%)、続いて「心を害する社員が出た」との回答が51%を占めた。(複数回答)
さらにいじめの発生の予防策として効果があると考えられるものとして、「いじめを発生させない・容認しない社内風土づくり」(70%)や「社内コミュニケーションの活性化への取組」(63%)のほか、「管理職対象のハラスメント研修」(60%)も挙げられている。
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平成19年中における自殺の概要
警察庁
警察庁は平成20年6月19日、平成19年中における自殺の概要について、公表した。
公表によると、平成19年中における自殺者数の総数は33,093人(前年に比べ938人(2.9%増)で、平成10年から連続して10年間、3万人を超える結果となった。性別では、男性が23,478人で全体の70.9% を占めている。
自殺者の原因・動機別状況では、原因・動機が明らかなもののうち、その原因・動機が、「健康問題」にあるものが14,684 人、「経済・生活問題」が7,318人で、次いで「家庭問題」(3,751人)、「勤務問題」(2,207人)の順となっている。また、「勤務問題」の中では、「仕事疲れ」(672人)が最も多く、次いで「職場の人間関係」(514人)となっている。
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相談員の窓
健康診断、特に特定健診に思うこと
基幹相談員 森木 光司(森木病院 院長)
今年の4月から、健康診断、特に特定健診の導入が始まって、健康診断の分野に大きな変化が見られている。私の施設にも特定健診を希望して来られる方が多くなってきた。
そもそもこの特定健診は、既に多くの方がご存知の”メタボリック シンドローム(略してメタボ)“を早期に発見して、これに伴う高血圧症、糖尿病、高脂血症などのいわゆる生活習慣病を予防や進行の抑制などを行い、増え続ける医療費抑制にも役立てようとするものと思っている。それはそれで重要なことと思うのだが、現在メタボの基準になっている項目にいくつかの問題があると言われている。例えば、最初の基準である腹囲(普通おへその周り)が、男性では85㎝以上、女性では90cm以上となっているが、この基準自体が既にこれでよいのかと言われていて、その他の基準も含めて、現在厚生労働省の研究班が検討中と聞いている。
しかし、いずれにしても現実にこうした生活習慣病が多く見られることは良いことではなく、私たち一人一人が自らこれらに注意をして生活をしてゆかなければいけないと思う。また、特定健診を含めた健康診断を私たちがもっと生かしてゆかねばならないのではないだろうか。そして、これをうまく活用して、厳しい世の中をできるだけ健康に乗り切っていきたいものである。
愛媛産業保健センター
思いやりの指南書としての労働安全衛生法
えひめ産保メールマガジン 第21号 2008年7月1日 - 相談員のアドバイス - より
昨今の厳しい社会経済情勢の中で、地道に安全衛生管理活動を推進することは、ますますその価値が高まっていると言えます。無許可で有害物質を製造する化学工場、提供した食事を再利用する高級料亭等、その存立基盤である社会を軽視して自らの理論で行動し、結局は社会から糾弾されて存立基盤を失っていく組織が後を絶ちません。厳しい経営事情でやむに止まれずそのような行為に手を染める場合もあろうかと思いますが、様々な形で社会へ貢献し、責任を果たし続けることが、組織が存在し続けられる基盤であるため、そのような組織的な反社会的行為は、結局、自らを窮地に陥れることに他なりません。
企業の社会的責任(CSR)が言われて久しく、企業に限らず組織には果たさねばならない様々な責任があり、その主要な一角を占めるのが「安全第一」の標語が示すように、安全衛生管理活動の徹底です。同活動は地道な活動ではありますが、徹底して行うことにより組織外の一般社会に対する貢献はもちろん、組織内顧客である従業員に対する組織運営上の重要なツールとしても活用することができます。
ある経営者によると「安全衛生管理活動を徹底推進することで従業員へ思いやりを示すことができる」とのことでした。同活動を徹底することにより、従業員の安心を高め、更には組織に対する満足度を高めることが可能になります。即ち、皆さんご存知のマズローの欲求の五段階説に言う、下位の欲求である「安全の欲求」あるいは中位の欲求である「所属の欲求」の充足・補強といった効果を従業員にもたらすことができ、より上位の欲求段階への向上をサポートすることにもつながります。
私たちは、膨大な労働安全衛生法令体系を「規制」として受け止めがちです。しかし、法要求事項を徹底遵守することにより上述の効果が得られるのであれば、その法令体系は従業員への思いやりの指南書として位置づけられ、それを活用することにより、組織内顧客という「社会」へ貢献することができます。今年度は国の第11次労働災害防止計画の初年度にあたり、その中で第10次防から引き続いて「安全文化の醸成」が謳われており、更に、7月1日からの一週間は全国安全週間でもあります。この機会に、従業員への思いやりを示す組織運営上の重要なツールであり、かつ、企業価値の向上を図ることができる労働安全衛生法の役割を今一度見つめなおしてみませんか。