こうちさんぽメールマガジン第66号
トピックス
平成22年度の熱中症による死亡者数を発表
厚生労働省は、平成22年度の熱中症による死亡者数を発表しました。
死亡者数は、1,718人(男920人、女798人)で、「発生場所」では、家(庭)が全死亡者数の45.6%と最も多くなっています。年齢(5歳階級)では、全死亡者数の約8割(79.3%)が65歳以上となっており、年齢階級が上昇すると死亡率が上昇する傾向にあります。都道府県別死亡者数は、東京272人、大阪139人、埼玉124人と多くなっています。
なお、平成22年の熱中症による死亡者数は、熱中症の統計を取り始めた昭和39年以降で最多でした。
詳細は、厚生労働省ホームページに掲載されています。
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なお、環境省では、熱中症などに対する注意を促すことを目的に暑さ指数(WBGT:湿球>黒球温度)、熱中症患者速報など熱中症関連情報を「環境省熱中症予防情報サイト」で提供>しています。主な情報として、
- 今後の暑さ指数予報
暑さ指数(WBGT)の普及を図り、もって熱中症などに対する注意を促すことを目的に、今日・明日・明後日の屋外の暑さ指数の予測値を公開しています。 - 暑さ指数速報(現在の暑さ指数)
屋外における、現在の暑さ指数(WBGT)の実測値及び、現在の暑さ指数の推計値(実況予測値)を各地点ごとに、1時間ごとに1週間公開しています。
暑さ指数(WBGT 湿球黒球温度)とは、人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標で、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算します。
詳細は、環境省ホームページに掲載されています。
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「石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況」を取りまとめ公表
厚生労働省は、平成22年度の「石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況」(速報値)を取りまとめ公表しました。
石綿による疾病により、療養や休業を必要とする労働者の方や、その疾病により亡くなられた労働者のご遺族の方については、その疾病が仕事により発症したものと認められた場合には、「労働者災害補償保険法」に基づく給付の対象となります。
一方、石綿による疾病で亡くなられた労働者の遺族の方で、時効により労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付を受ける権利が消滅した方については、「石綿による健康被害の救済に関する法律」により、その疾病が仕事により発症したものと認められた場合には、「特別遺族給付金」が支給されるしくみとなっています。
- 労災保険給付の請求・支給決定件数
請求件数 1,142件(前年度比32件、2.7%の減)
支給決定件数 994件(前年度比77件、7.2%の減) - 特別遺族給付金の請求・支給決定件数
請求件数 54件(前年度比42件、43.8%の減)
支給決定件数 41件(前年度比68件、62.4%の減)
となっています。
詳細は、厚生労働省ホームページに掲載されています。
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厚生労働省は、平成23年度全国労働衛生週間実施要綱を発表しました。
全国労働衛生週間は、労働者の健康管理や職場環境の改善等の労働衛生に関する国民の意識を高めるとともに、職場での自主的な活動を促して労働者の健康の確保等を図ることを目的に昭和25年から実施しており、本年で62回目です。毎年10月1日から10月7日までを本週間、9月1日から9月30日までを準備期間とし、それぞれの職場でさまざまな取り組みを展開することとしています。
平成23年度スローガンは、
「見逃すな 心と体のSOS みんなでつくる健康職場」 です。
詳細は、厚生労働省ホームページに掲載されています。
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相談員の窓
粉じんの管理濃度について
労働衛生工学相談員 中西 淳一
作業環境測定の結果を評価する際の指標となる、粉じんの管理濃度は粉じん中の遊離けい酸含有率(Q)によって決定されます。そこで、今回は、粉じんの管理濃度のお話をします。
有害な化学物質、粉じんにつきましては、我が国や諸外国において、疫学調査や動物実験等健康影響に関する調査研究が行われています。そして、これらの調査研究で得られた新しい医学的な見地を踏まえ、粉じんのうちで、最も有害な成分である結晶性シリカ(遊離ケイ酸)の発がん性リスクを抑えることを目的として、管理濃度の改正が実施されてきました。
当初、粉じんの管理濃度は、平成17年3月31日までは次式-1.で示されていました。
E=2.9÷(0.22×Q+1) ・・・1.
E:管理濃度(mg/m3)
Q:遊離けい酸含有率(%)
次いで、平成16年10月1日の改正(平成17年4月1日から適用)では、式-1.に米国産業衛生専門家会議(ACGIH)の勧告値(Q=0%で3mg/m3、Q=100%で0.05mg/m3)を取り入れて次式-2.に改正されました。
E=3.0÷(0.59×Q+1) ・・・2.
E:管理濃度(mg/m3)
Q:遊離けい酸含有率(%)
Q=0%の場合 E=3.0÷(0.59×0+1)=3.0mg/m3Q=100%の場合 E=3.0÷(0.59×100+1)=0.05mg/m3
そして、平成21年3月31日に改正され、平成21年7月1日から適用になっているのが次式-3.の式です。
E=3.0÷(1.19×Q+1) ・・・3.
E:管理濃度(mg/m3)
Q:遊離けい酸含有率(%)
Q=0%の場合 E=3.0÷(1.19×0+1)=3.0mg/m3Q=100%の場合 E=3.0÷(1.19×100+1)=0.025mg/m3今回の改正は、
- 石英、クリストバライト、トリジマイトの体内での挙動は大きく異なるものでないこと等から、これらの物質ごとではなく結晶性シリカ総体として管理濃度を定めた方が適当である。
- 日本産業衛生学会が許容濃度を吸入性結晶質シリカとして0.03mg/m3に改訂した。
- 米国産業衛生専門家会議(ACGIH)がばく露限界値を結晶性シリカとして0.025mg/m3に改訂した。
- ACGIHのレスピラブル粒子の定義(相対沈降径が4μmの時に透過率50%となる等の分粒特性)を吸入性粉じんの定義とすることが適当である。という以上の考え方から、現行管理濃度(式?2.)と同様に混合物に対するばく露限界についての一般的な考え方を踏まえ、ACGIHの「他に分類できない非水溶性又は難溶性粒子状物質(レスピラブル粒子)」の勧告値3mg/m3を代入し、又、ACGIHのばく露限界値「結晶性シリカとして0.025mg/m3」の提案理由は妥当であり、定量下限までの測定が可能であるので、管理濃度は、式?3.とすることが適当であるとの理由によるものです。以上、粉じんの管理濃度の変遷を見てきましたが、同じ遊離けい酸含有率であっても、改正のたびに管理濃度が厳しくなってきていることがわかります。
例えば、Q=10%の場合
式-1.では、 E=2.9÷(0.22×10+1)=0.91mg/m3式-2.では、 E=3.0÷(0.59×10+1)=0.43mg/m3式-3.では、 E=3.0÷(1.19×10+1)=0.23mg/m3
さて、労働安全衛生法、粉じん傷害防止規則では、労働者が様々な化学物質や粉じんを吸い込むことに起因する職業性疾病を防止するために、事業者に対し、定期的に作業環境における空気中の有害物濃度を測定することを規定していますが、それ以外にも、作業環境測定の結果に基づいて、設備の密閉化、局所排気装置の設置、作業方法の改善、必要に応じては呼吸用保護具を使用させること等を規定しています。これらの規定を遵守して、快適な職場環境の形成を目指していきましょう。
メンタルヘルス対策支援センター事業のご案内
(厚生労働省委託事業)
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また、今までの電話、メール、FAX等での相談や実地相談も受け付けておりますのでご活用下さるようお願いします。
産業保健に関する質問であれば、どんな事でも構いません。お気軽にお問い合わせください。
相談料は無料です。
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貸出図書・DVD・機器のご案内(貸出:無料)
図書・DVD(センター実施研修会)・研修会等用機器(作業環境測定用・研修用)を無料で貸し出しています。
なお、作業環境測定用機器については、精度管理を実施していませんので、測定された数値は保障できませんのでご了承ください。
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