調査研究結果

小規模事業所における40歳未満就労者の生活習慣病対策

はじめに

近年、我が国では、メタボリックシンドロームに包括される生活習慣病の予防が重要な課題とされ、改善施策の確立が急がれている。その中で、平成20年度より40歳以上を対象とした特定健診・特定保健指導が開始され、平成27年度の達成目標として、平成20年度と比して糖尿病等の生活習慣病有病者・予備軍の25%減少、および医療費の適正化が掲げられた。
一方、我々の先行研究では特定保健指導の対象者の8割以上が、20歳時の頃よりも体重が約10kg増加していた。この結果は、今回の特定健診・特定保健指導の対象外となる40歳未満の若年就労者への生活習慣病の保健指導・対策が、将来的な生活習慣病の予防や医療費の適正化に不可欠であることを示唆しているものと考えられる。しかしながら、企業、とくに小規模事業所の若年層に対する生活習慣病保健指導・対策に関する取り組みについては、ほとんど把握されていない。
そこで、高知県下の小規模事業所を対象に、40歳未満の従業員への生活習慣病への保健指導等の対策の現状について調査するとともに、労働者の生活習慣病に対する意識調査も併せて実施し、40歳未満の意識の特徴を把握することによって、効果的かつ有効な生活習慣病予防策を検討したいと考えた。このため、事業所へのアンケート調査(事業所調査)と労働者に対する意識調査(個人調査)を実施した。

なお、本調査研究は平成20年度保健調査研究倫理審査委員会の承認を得た。

本報告では、事業場調査の結果を示す。

平成21年3月

職場における生活習慣病対策の現状(事業場調査)

職場における生活習慣病対策の現状(事業場調査)

40歳未満就労者の生活習慣病に対する意識(個人調査)

40歳未満就労者の生活習慣病に対する意識(個人調査)

【研究員】
大原 啓志 高知産業保健推進センター・所長
都竹 茂樹 高知大学医学部・准教授
坪崎 英治 高知産業保健推進センター・相談員
五十嵐惠子 高知産業保健推進センター・相談員
杉原 由紀 高知産業保健推進センター・相談員

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